弁護士葛巻のコラム

2018.05.02更新

皆様こんにちは。

赤坂、青山、渋谷近郊の弁護士葛巻瑞貴で(かつらまき みずき)です。

今回のコラムは、会社法120条の利益供与に関して、よく問題となる「株主の権利の行使に関し」という文言の解釈について簡単に解説します。

 

1.問題の所在

良く問題となるのは、株主に対して、その保有する株式を譲渡することに関する対価として、会社が当該株主に何らかの利益を供与した場合に「株主の権利の行使の関し」に該当するのかという点です。

 

2.株式の譲渡に関する一連の利益供与が「株主の権利の行使に関し」に当たるか

例えば、株式の譲渡を断念することに関する対価を株主に支払うこと、第三者に特定の株主からの株式を譲り受ける資金を提供すること、特定の株主から株式を譲り受けること等が、「株主の権利の行使に関し」といえるのでしょうか。

株式の譲渡は株主としての「地位の移転」に過ぎないため、形式的には「株主の権利の行使に関し」とは認められないように思われることから議論があります。

この点、会社法120条1項の趣旨は、会社運営の健全性・公正さを図る点にあるため、「株主の権利」とは、株主として行使する全ての権利及びそれと密接に関連する行為を意味すると解されています。

そして、「権利の行使に関し」とは、会社が前述の「株主の権利」に関して利益を供与する目的・意図といった主観的認識を持ち、その行使・不行使に影響を与えることをいうものと考えられています。

具体的には、会社が財産上の利益を提供したことが、会社運営上の合理性があるか否かをもって判断することになります。

したがって、株式の譲渡に関する一連の利益供与は、現在の株主または将来の株主の議決権等の株主権の行使を回避する目的でなされる場合には、「株主の権利の行使に関し」に当たると解されます。

 

3.利益供与に該当した場合の法的効果

利益供与に該当した場合には、利益の供与を受けた者は、会社に当該利益を返還しなければならず(120条3項)、また、当該利益供与に関与した取締役等は、供与額を返還すべき義務を負いますので注意が必要です(同条4項)。

なお、刑事責任も存在します(同条970条)。

 

以上で、利益供与に関する「株主の権利の行使の関し」という文言の解釈についての簡単な解説でした。

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投稿者: 弁護士葛巻瑞貴

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