皆様、こんにちは。
赤坂、青山、渋谷近郊の弁護士の葛巻瑞貴(かつらまき みずき)です。
今回の会社法の論点解説は、株主総会のある議題に関する取消事由が他の議題の決議の効力に影響を受けるか、という点についてです。
Aという擬態について、何らかの取消事由が存在する場合、その取消事由がBという別の議題にも影響を与えるのか否か、その点に関して解説します。
Q.他の議題に関する取消事由が当該議題の決議の効力に影響を及ぼすか
A.そもそも、各議題は、各々別個独立の議題であり、株主総会は各々の議題に影響されることなく無関係に議決することができます。
そのため、原則として他の議題の取消事由は当該議題の取消事由にならないのが原則です。
しかし、例外的に、両議題(議案)が株主総会の目的事項との関係で密接な関連性があり、一方を審議する上で他方を検討、考慮することが必要・有益な場合であり、会社が現経営陣に都合の良いように議事を進行させることを企図して当該事項を株主総会において取りあげなかった等、特段の事情が存する場合には、他の議題(案)の取消事由も当該議題(案)の取消事由となる、という例外を示した裁判例があります。
このように、例外的に、ある議題の取消事由が別の議題に影響を及ぼすことは考えられますので、上記特段の事情の類型化、精緻化が待たれるところです。
以上で、本論点に関する解説を終わります。
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